五大栄養素とは~ファスティング前に知っておこう

栄養素というのはたくさんの種類がありますが、「五大栄養素」と呼ばれている栄養素が何かご存知でしょうか?
五大栄養素は様々な栄養素の中でも人が生命活動を行っていく上で欠かせない栄養素になります。
ファスティングにおいても準備期や復食期には栄養バランスに優れた食事をすることが重要となってくるので、五大栄養素についてある程度知識を身に付けておくと良いでしょう。
今回は、五大栄養素について詳しくご紹介していきます。

五大栄養素とは?
栄養素は基本的に食品に含まれている様々な成分を指しますが、五大栄養素とはその中でも特に重要な役割を持つ栄養素を言います。
中でも炭水化物・脂質・タンパク質は三大栄養素とも呼ばれており、人が活動する上でエネルギーになったり、体を構成する成分になったりする大切な成分です。
ここからは五大栄養素をそれぞれ解説していきましょう。
炭水化物
炭水化物は体内でエネルギーに変換される「糖類」と、消化吸収はされずエネルギーにはならない「食物繊維」に分類できます。
糖類というとダイエット面であまり良いイメージを持たない方も多いかと思いますが、実際には体にとって重要な役割を持つ栄養素なので摂り過ぎには気を付けつつ摂取する必要があるものです。
なぜ、糖類が必要なのかというと脳が唯一、単糖類に分類される「ブドウ糖」をエネルギー源としているためです。
つまり、いくら他の栄養素をたくさん摂取していたとしても、ブドウ糖を一切摂取していなければ脳の働きが鈍り、判断力や注意力が衰えてしまいます。
ダイエット中は糖質をできるだけカットしたいと思うかもしれませんが、1日の適切な摂取量を守ることが大切です。
例えば、30~49歳の女性(身体活動レベル1)の場合、1,650kcalが1日の推定エネルギー必要量として定められています。
1,650kcalの50~65%は、825~1072.5kcalです。
炭水化物量に直すと約200~270gとなるので、ご飯中盛りなら約4杯分の量になります。
脂質
脂質を摂取すると体内でエネルギー源に変換されますが、さらに細胞膜などの構成や臓器の保護、寒さから身を守るための役割なども果たしています。
また、後ほどご紹介するビタミンには「脂溶性ビタミン」というものがあり、脂質によって吸収が促されるため栄養をバランス良く摂取するのに欠かせない栄養素でもあります。
脂質もダイエットの天敵といったイメージを持つ方は多いでしょう。
特に、1gあたりのエネルギーが高いため意識していないと思ったより脂質を摂取してしまっているケースはよく見られます。
ただ、脂質の摂取量が不足してしまうとエネルギー不足による慢性疲労や抵抗力の低下につながってしまうので注意が必要です。
脂質が不足すると脂溶性ビタミンが吸収されにくくなり、各ビタミンの欠乏症が生じる恐れもあります。
脂質にも様々な種類があり、中には健康に良い油もあるので、適切な量を知り脂質の種類も選びながら摂取すると良いでしょう。
30~49歳の女性(身体活動レベル1)の1日の推定エネルギー必要量を1,650kcalと定めた場合は脂質は330~495kcalとなり、36~55gが目標量となります。
脂質は様々な料理に含まれるため、注意しないとすぐに過剰摂取となってしまうので気を付けましょう。
具体的には、カレーライス1人前で約26kcal、クロワッサン1個で約10g、鶏もも肉の照り焼き1人前で約15gの脂質が含まれています。
タンパク質
そのため、必須アミノ酸は食事から摂取しなくてはなりません。
タンパク質は体にとって様々な役割を果たしています。
例えば酵素やホルモンになって体の機能を整えるものから、全身に栄養素などを輸送する際に活用されるもの、免疫を高める際に活用されるものなど、その多くが身体活動には欠かせない役割を持っているのです。
そんなタンパク質が不足してしまうと、免疫機能の低下が見られて様々な病気につながったり、筋力の低下によって様々な身体機能が衰えてしまったりする可能性があります。
他にもむくみやうつ、肝機能の低下など、様々な症状が表れやすくなるので注意が必要です。
卵1個で約6g、牛肉(赤身)は100gで約21g、牛乳200mlで約7gとなっています。
肉や魚に多く含まれているタンパク質ですが、肉や魚を摂取するとどうしても脂質も一緒に摂取しやすくなり、気を付けていないと脂質が過剰になる恐れもあります。
そんな時は脂質量が少なくタンパク質が豊富な鶏のささみや、大豆製品などをうまく活用してみましょう。
ビタミン
しかし、体内でビタミンは体の成長と健康を維持するための機能を果たしています。
ビタミンにも様々な種類があり、大きく脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類することができます。
脂溶性ビタミンは油脂に溶けるため脂質と一緒に摂取すると吸収性が高まり、水溶性は水に溶けるビタミンなので調理法に注意しないと水に溶け出してしまう可能性が高いです。
・ビタミンA(βカロテン)
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・ナイアシン
・パントテン酸
・葉酸
・ビオチン
逆に水溶性ビタミンは摂取してもすぐに体から排出されてしまうケースも多いため、不足によって症状が表れやすいです。
ビタミンを上手に取り入れるなら、偏食はせずバランスの良い食事内容にすることが大切です。
ミネラル
ミネラルとは、ビタミンと同じように身体機能の維持や調整を行うのに必要不可欠な栄養素です。
ビタミンと異なる点は、ビタミンは基本的に身体機能へ作用・サポートする栄養素となっていますが、ミネラルはそれ以外に体を構成する成分にもなっていることが挙げられます。
例えば、髪の毛は基本的にタンパク質で構成されていますが、タンパク質を髪に合成する際にはミネラルの1つである「亜鉛」がないと合成できません。
また、骨や歯を形成するために欠かせないカルシウムもミネラルに含まれています。
このように、機能に作用するだけでなく体を構成するためにも必要な栄養素なので、積極的な摂取を心掛けると良いでしょう。
ミネラルは主要ミネラルと微量ミネラルの2種類に分類できます。
・ナトリウム
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・鉄
・亜鉛
・マンガン
・銅
・ヨウ素
・セレン
・モリブデン
・クロム
ミネラルはそれぞれ推奨量などが異なります。
また、男女・年齢によっても異なるため、自身がどれくらい摂取した方が良いのか一度確認してみると良いでしょう。
1日の適切な量を知り、バランス良く摂取していきましょう。

五大栄養素以外の重要な栄養素
近年では五大栄養素以外にも体にとって良い働きをもたらす栄養素が見つかっており、徐々に研究でその効果が明らかになってきています。
例えば、第六の栄養素と言われている「フィトケミカル」は、90年代から注目を集めている栄養素で、必須ではないもののポリフェノールなどの健康に有効的な栄養素が分類されています。
これらの栄養素も摂取することで、より体の健康維持につながっていくでしょう。
今回は五大栄養素について詳しくご紹介してきました。
エネルギー源となる炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素に加えて、体の機能を調整するために欠かせないビタミン・ミネラルを加えたものが五大栄養素として挙げられます。
五大栄養素が過不足を起こすと、様々な症状となって表れる可能性もあるため適切な量を摂取することが大切です。
適切な量を守ることは非常に難しいものの、1日の中だけでなく1週間で調整すると整えやすくなるでしょう。
また、肉ばかり・パンや麺類ばかりというように、偏食せずに3食バランスの良い食事を心掛けることで、自然と栄養バランスも整ってきます。
ぜひ食事内容のバランスが悪くなっていないか意識して見直してみましょう。